動き始めに膝が痛い 変形性膝関節症
歩き始めや立ち上がる時に膝が痛くて悩んでいませんか?
病院に行ったら変形性膝関節症と言われ、湿布を出されたが痛みが引かない。
これからどうしたらいいのか不安な方もみえると思います。
変形性膝関節症とは、軟骨のすり減りによって関節内に炎症が生じる膝の代表的な疾患で、国内で症状を伴う患者数は約800万人であり、男女比は1:4と女性に多くみられます。
また日本人は膝の内側に痛みが生じる内側型の変形性膝関節症を発症することが多く、その割合は9割とされています。
鍼灸治療で期待できる効果としては、膝の痛みの緩和と関節が動かしやすくなることが期待できます。
変形性膝関節症の症状
変形性膝関節症では、初期症状として動き始めの痛みや、階段の上り下りがしづらいなどの違和感から始まります。放置していると骨の損傷や関節が変形し、動かすたびに激痛を伴うようになってしまい、段々と変形が進んでしまいます。症状が進行していくと歩くことも困難になり、日常生活に支障が出てきます。
- 歩き始めや立ち上がる時に膝が痛む
- 正座やあぐらがつらい
- 階段の上り下りがつらい
- 膝の曲げ伸ばしがしづらい
- 膝に水がたまり、腫れている
変形性膝関節症の原因
膝にある軟骨は関節の負荷を緩和させるクッションのような存在をしています。
その軟骨への負担が蓄積され、軟骨が擦り減ってしまうと削られた軟骨の欠片の刺激によって炎症が起きて、膝に痛みが出てしまいます。
変形性膝関節症の主な原因は加齢や筋力の低下、肥満、膝の捻挫を経験したことがある方があげられます。加齢では、関節組織や関節を支える筋肉が衰えてしまい関節が不安定になってしまうのが原因です。また体重が1キロ増えると膝関節への負担は2~3キロ増加してしまうので肥満であればそれだけ関節への負担も大きくなります。
その他にも病気やケガになど二次的な原因でも発症することがあります。例えば関節リウマチや靭帯損傷・半月板損傷などのケガで膝の関節が不安定になっていることも影響します。
病院での治療
病院ではレントゲンで変形性膝関節症と診断されたら、まず生活改善や運動療法、ヒアルロン酸注射などの薬物療法による保存的治療です。保存療法で症状が改善されない場合は、骨切り術や人工関節置換術といった手術療法が検討されます。
鍼灸治療でできること
鍼灸治療をすると膝の痛みの緩和と関節可動域の向上が期待できます。
変形性膝関節症の基本的な治療法は、運動療法により膝の周りの筋肉を鍛えることで、関節の安定性を高めることです。
しかし、痛みにより膝を動かさなくなったり、運動する機会が減ると関節の可動域が狭くなり膝の状態は悪化するという悪循環になります。
そこで鍼灸治療により膝の痛みが緩和されると日常生活が楽になるだけでなく、関節の可動域が向上し運動療法にも意欲的に取り組むことができます。また、膝関節が安定し軟骨のすり減りを抑えることが関節内部の炎症を防ぎ、膝に水が溜まるのを予防してくれます。
鍼灸治療ですり減った軟骨を再生させたり、変形を元に戻すことはできませんが、膝関節周囲の血流を促したり、筋肉の緊張や痛みの緩和をしていき、進行して悪化するのを防ぐことはできます。早めにご相談ください。
膝のツボ:膝眼
膝眼には、内側にある内膝眼と、外側にある外膝眼があります。
膝眼は、膝の痛み全般に使えるツボです。膝のお皿の下で、膝の軟骨である半月板もある場所です。