つらい頭痛・片頭痛はご相談ください

頭痛の原因は様々ですが、特に明確な病気があるわけではないのに繰り返し起こる頭痛は、一次性頭痛と呼ばれ、首や頭部周辺の筋肉の緊張や、血管の拡張などによって起こると考えられています。

この頭痛に対して、日本頭痛学会では、治療のガイドラインとして、鍼灸治療をあげています。特に、片頭痛に対しては非薬物療法として鍼灸治療の推奨度をAに位置づけています。

もともと、一次性頭痛の原因である筋肉や血管の状態は鍼灸治療が最も適した治療法であり、近年の自律神経が乱れやすい、また女性ホルモンのバランスが乱れやすい生活環境を考えると、鍼灸治療を第一選択とし、治療だけでなく、再発防止のための予防治療にも活用していくことが望ましいです。

頭痛の種類

頭痛の原因は様々ですが、特に明確な病気があるわけではないのに繰り返し起こる頭痛(=一次性頭痛)と、病気が原因であらわれる頭痛(=二次性頭痛)に大別できます。

代表的な一次性頭痛は、緊張型頭痛片頭痛、群発頭痛の3つです。 緊張型頭痛と片頭痛は混在する人もいます。

1.緊張型頭痛

頭痛全般的に最も多いのが一次性頭痛に分類される緊張型頭痛です。年齢や性別を問わず、誰もが発症する可能性のある頭痛と言えます。
精神的なストレスや長時間のデスクワーク、スマホの使い過ぎなど同じ姿勢を続けることによって、血行が悪くなり首や頭の筋肉が緊張してしまうことで頭痛が起こります。緊張型頭痛に関係する筋肉は、首や頭から肩、背中にかけて走行しているため、肩や首のこりを伴う人が多いです。

後頭部を中心に頭全体が締め付けられるような重苦しい痛みです。範囲が広くなると、目も開けられなくなるまで痛みます。

2.片頭痛

片頭痛は、三叉神経の痛みと言われています。何らかの原因で、脳底部の主幹動脈、硬膜血管周囲に張り巡らされている三叉神経が刺激を受けると、その刺激でセロトニンなどの神経伝達物質が血管中に一気に放出されます。これにより脳血管は収縮するのですが、その後、セロトニンは代謝して減少し、逆に脳血管が拡張子、周囲に炎症が起こります。同時に拡張した血管が、血管周囲にある三叉神経を圧迫するため、動脈が脈打つたびに痛みを生じます。

また、ストレスや疲労の他、女性に多いことから、女性ホルモンが何らかの形で関わっていると見られています。

片頭痛の前兆は、頭痛より前に起こる症状で、痛みの起こる2~3時間前にあくび、イライラ、眠気、むくみ、空腹感などが感じられ、痛みの起こる30分くらい前に、キラキラした光、ギザギザの光(閃輝暗点)などの視覚性前兆が最も多くみられます。

片頭痛の症状は、ズキズキと脈打つような強い痛みで、光や音に敏感になったり吐き気などを伴います。また、頭や体を動かすと、頭痛を誘発する傾向があります。

3.混合型頭痛

筋肉が収縮することでおこる緊張型頭痛と、血管が拡張することでおこる片頭痛が混在するケースです。
どちらの症状が強いのか、また頻繁におこるのか確認しながら適切な治療が必要になります。

4.群発頭痛

群発頭痛を発症する患者さんは比較的少ない傾向にありますが、どちらかというと男性に多くあらわれます。

群発頭痛の原因は、目の後ろを通っている内頚動脈が拡張して炎症が起きるためではないかと考えられています。
この炎症が起きる原因はわかっていませんが、体内時計が関係しているとも言われています。

群発頭痛の症状は、原因となる内頚動脈が目のところにも分布しているため、「目をえぐられるような」激しい痛みで、一度、症状が出始めると、1~2カ月間、毎日のように同じ時間に頭痛が表れるようになります。

5.二次性頭痛

二次性頭痛の原因は、クモ膜下出血や脳腫瘍など、重篤かつ、緊急の処置を必要とするケースが多いため、早期の診断と対処が必要です。
経験したことのない強い頭痛が突然あらわれたり、手足の麻痺やしびれ・痙攣や、激しい嘔吐、高熱などを伴う頭痛が起きた時はすぐに救急車を呼ぶなどしなければなりません。
また、帯状疱疹など、ウイルス感染による頭痛の場合も注意が必要となります。

頭痛治療の流れ

  1. 01 問診

    問診

    当院では、まず患者さんから頭痛や体の気になる症状、どんな時に気になるのか、頭痛が悪化するのか内容をうかがって、症状の原因を突き止めます。
    その後、治療内容と今後の方針を極力わかりやすく説明させていただき、患者さんにご納得いただいてから治療に入ります。

    女性は、どの年代においても女性ホルモンの関係、女性ならではの症状としてあらわれます。そのため、どんな症状でも、女性ホルモンとの因果関係があるのか確認する「問診」をとても大切に考えています。

  2. 02 検査

    脈診

    問診後は、実際にどのような状態なのか、頭痛の原因が何なのか確認するための検査をします。くも膜下出血等の重篤な要因があるかどうか把握しなければならないからです。
    症状によっては、すぐ病院に行き処置をしなければならない病気が潜んでいることもありますので、治療前の大事な作業です。

    検査項目は、西洋医学的な検査に加え、東洋医学的な診断もおこないますので、脈をみたり、お腹の状態を確認したりすることもあります。脈を診ることで、自律神経の変化や生理周期の変化も読み取ることができるため確認します。

    単純に、デスクワークやスマホの使い過ぎによる頭痛、日本女性特有の「なで肩」からおこる頭痛なら、治療と同時に姿勢を気を付けるだけでも楽になってきます。

  3. 03 鍼灸治療

    鍼灸治療

    問診と検査等の後は、ベッドに横になってリラックスしていただいた状態で頭痛の治療を開始します。
    (上の写真は、わかりやすくするため座っています。)

    患者さんの体は冷えているのか、硬く緊張しているのか、逆に軟弱になっているのか、一部の組織が炎症反応を起こしているのか、患者さんの主な訴えと関連する部分はあるのかなど把握したうえで状態に合わせたツボに鍼灸治療をおこないます。

    鍼灸治療

    鍼は髪の毛と同じくらいの太さ0.1mmほど、お灸は、火が直接肌に触れないものを使用していますので、火傷やお灸の痕が残る心配を極力減らします。

    お灸にはリラックス効果だけでなく、血行の促進や抵抗力を高めて体を強くしてくれるといった様々な作用があります。また、鍼治療の後にお灸をすることで、治療効果が持続する作用もあります。

  4. 04 電気光線療法

    低周波治療

    患者さんの症状によっては、鍼や灸に加えて、より血行を促すため、運動不足を解消するために電気治療を併用する場合があります。電気治療というと「ビリビリ」という痛いイメージが先行しがちですが、実際には眠ってしまうような心地の良いごく微弱な電流を流す程度です。

    この治療は体の表面にある皮膚や筋膜、筋肉を刺激して血行を促すものですので、妊娠中の方などでも問題なく受けていただけます。

    鍼灸治療の後に電気刺激をおこなうことで、頭痛の軽減だけでなく再発予防にも期待できます。