みなさん、こんにちは!愛知県稲沢市にある「うさみ鍼灸院」です。
3つ続けて顔面神経麻痺の投稿をしてきましたが、今回は後遺症についての解説です。
まだ1つ目の「これって顔面神経麻痺?ベル麻痺について」
2つ目の「顔面神経麻痺の中でも治りにくいハント症候群」
チェックしていない方は、ぜひ読んでみてください。
顔面神経麻痺の後遺症には4つあります。
- 病的共同運動
- 顔面の拘縮
- ケイレン
- ワニの涙
- アブミ骨筋性耳鳴り
顔面神経麻痺を発症してから4ヶ月経過してから出てくることが多いです。
病的共同運動とは、後遺症の中でも最も多くみられる症状で、会話や食事中に口の動きと同時にまぶたが閉じる方向に動いてしまいます。またはその逆に、目を閉じようとしたときに口元が一緒に動いてしまう現象です。これは神経再生時に隣接する神経線維が誤ってつながること(迷入再生)により過誤支配が起こるからです。
顔面の拘縮とは、顔のこわばりのことです。後遺症として麻痺が残っているだけでなく、筋肉が固くなって余計に動かしにくくなります。拘縮は病的共同運動と同様、迷入再生による過誤支配により拮抗筋同士の収縮が考えられます。
ケイレンは、自分の意志と関係なく眉毛や口元のあたりなどが勝手にピクピクと動いてしまうことです。ケイレンは、再生線維の髄鞘形成が不十分であるために、絶縁を失った神経線維間でショートしてしまうエファプス(非シナプス結合)が起こり、刺激が隣接する複数の軸索に伝達されるからです。
ワニの涙は、顔面神経麻痺により、食事中、涙が出てしまう現象で、表情筋運動線維と涙を出すための分泌副交感神経線維が神経伝達の方向を誤ってしまうために起こります(迷入再生による過誤支配)。
アブミ骨筋性耳鳴りは、顔面の表情筋の動きに伴い、不快な耳鳴りが生じる現象です。これは表情筋支配の運動線維とアブミ骨筋神経線維の過誤支配によるものです。
顔面神経麻痺の治療で、鍼灸院へ来院される患者さんの多くは、第一選択として鍼灸治療をしておらず、発症から3ヶ月以上経過した方ばかりで、後遺症に悩んでおられる方もみえます。病院での治療と同時進行で構わないので1日でも早く鍼灸治療ができていたら回復できたかもしれないのにと感じてしまいます。
顔面神経麻痺、または後遺症でお悩みの方や、家族や知り合いの方でお困りの方がいらしたら、ご相談ください。